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与論島クオリア
  最終更新日 2017-11-23 5:11:31
要旨 喜山荘一 《与論だけの“あの感じ”を言葉にする》《与論・奄美・沖縄(琉球弧)の“同じ”を発見する》
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言語 ja-JP
「南海の竜」(後藤明『「物言う魚」たち』
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要旨:  ニュージーランドには大型のトカゲが実際に生息していた。メラネシア方面から伝わっ...

 ニュージーランドには大型のトカゲが実際に生息していた。メラネシア方面から伝わった鰐の伝承はトカゲのイメージに重なり、竜の観念ができあがったのだろうと、後藤は書いている。

 マニニが航海をして見知らぬ土地にたどりつく。老婆と娘が人食い竜に苦しんでいる。土地の人は火を知らず、生のものしか食べたことがなかった。竜を倒したら娘をもらえる約束をし、穴に隠れながら、マニニは竜の腕や指を切り取り、とうとう竜は死ぬ。その腹を割くと、たくさんの死骸が出てきた。

 マニニは娘を得て妊娠するが、土地の女たちは腹を割いて出産させるという。マニニは止めるが、いないあいだに腹を割いて出産し、娘は死んでしまう。

 新しい生命が生まれるたびに母親が死ぬ運命にあったという状態は、脱皮型神話に出てくる永遠の命をもつ状態の対局である。しかし両者とも、異常な生命の状態を表す点では共通する。それは無秩序な社会ということだ。子供が生まれるかわりに母親が死ぬのなら、家族というものは成り立たない。逆に誰も死なず、老いることがなかったなら、(中略)近親相姦の危険も起こりやすくなる。また祖先を敬うなどという観念は生まれず、人口も増えすぎ、支離滅裂な世の中になるだろう。(後藤明『「物言う魚」たち』)

 このような神話に、竜蛇が登場するのは、「創生以前の未分化な状態を象徴するかたであろう」と、後藤は書いている。

 出産の方法を知らず、子を産むと母が死ぬのは、出産が脱皮とみなされているということだ。つまり、不死の段階の思考である。トカゲは死をもたらす。だから、トカゲ(竜)の腹のなかからは、財宝ではなく死骸が出てくるのだ。

 
『「物言う魚」たち―鰻・蛇の南島神話』

「オキナワトカゲの系統地理学および集団遺伝学」(栗田和紀)
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要旨:  南琉球のトカゲ・トーテムがキシノウエ・トカゲなら、北琉球では、オキナワトカゲで...

 南琉球のトカゲ・トーテムがキシノウエ・トカゲなら、北琉球では、オキナワトカゲではないか。という当たりをつけてみる。

オキナワトカゲは琉球列島に固有で,島嶼に生息するトカゲであり,沖縄諸島のほとんどの島と奄美諸島とトカラ列島の一部の島に分布している.本種の特徴は,とても小さな島にまで生息していることが挙げられ,植生に覆われた実質的な生息面積がわずかサッカーコートの半分しかないようなコマカ島(0.02 km2)やエージナ島(0.01 km2)でも生息が確認されている。(「オキナワトカゲの系統地理学および集団遺伝学」(栗田和紀、2014) )

 DNAの分析は、このトカゲが島の形成時から生息してることを明らかにしている。

多くの島のオキナワトカゲ集団は現在の島々が形成されて以降,孤立した集団として維持されてきたと思われる.琉球列島は大規模な津波や台風に時折襲われてきており,小さな島のトカゲ集団でさえ長期間存続してきたのは驚くべきことである。

 琉球弧で普遍的な存在であるということは、トーテムを満たす条件ではありうると思う。遊動する島人がどこへ行っても出会うわけだから。

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トーテム編年
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要旨:  貝塚時代の「前1期」「後1期」などという呼称の「前」「後」は、もともと本土の「...

 貝塚時代の「前1期」「後1期」などという呼称の「前」「後」は、もともと本土の「縄文」「弥生以降」への対応をつけるためにつけたものだ。だから、内在的に見たら、何の前で何の後か、分からない。

 しかも、「物質文化」は別だとして、南琉球は、「下田原期」「無土器期」と呼ばれている。かつ、編年は定まっていない。

 これではとても障害が大きい。島でサンゴ礁環境が形成された時間を共有している二地域として、共通の眼差しを持てるようにしたい。そもそも現在の、まったく別の扱いはとても不思議にも見える。

 ふつうの人にも身近に感じられるとしたら、トーテム編年はどうだろう。トーテムにした身近な動植物で、編年を組むのだ。 

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 そうすると、北琉球と南琉球で、蛇、トカゲ、貝、蟹、ヤドカリという大きくは5つの段階で語ることができる(はずだ)。

 サンゴ礁形成期の琉球弧は、

 蛇期
 トカゲ期
 貝期
 蟹期
 ヤドカリ期

 琉球弧っぽくいえば、

 蛇世
 トカゲ世
 貝世
 蟹世
 ヤドカリ世

 この呼称で、両者の差異を表すこともできるかもしれない。

 蛇世:ハブ世
 トカゲ世:北琉球?、南琉球・バギラ世(石垣島)
 貝世:ギラ世
 蟹世:カン世
 ヤドカリ世:アマン世

 両者で明らかに異なると思えるのは、南琉球のキシノウエトカゲに対して、北琉球のトカゲの主は何かということだ。