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与論島クオリア
  最終更新日 2017-7-23 7:10:04
要旨 喜山荘一 《与論だけの“あの感じ”を言葉にする》《与論・奄美・沖縄(琉球弧)の“同じ”を発見する》
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言語 ja-JP
産山柄杓田の縁起譚
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要旨:  谷川健一は、阿蘇の産山(うぶやま)村にある柄杓田(ひしゃくだ)の縁起譚を紹介し...

 谷川健一は、阿蘇の産山(うぶやま)村にある柄杓田(ひしゃくだ)の縁起譚を紹介している。

 柄杓田には、柄杓田大明神が祀られている。『肥後国誌』補遺にはこうある。

 昔、阿蘇大神が羽衣をなくした天女と一緒に生活したが、天女は夕顔の種を植え、それが大きくなると、夕顔の蔓をよじのぼって天上に帰っていった。そこで阿蘇大神は天女を偲ぶ神社をたてた。それが今の柄杓田大明神である。柄杓田ではいまもひさごをつくらないのはそのためである。

 この縁起譚は、異類婚姻譚を彷彿とさせる。この祖形にはそれがあるのだろう。

 天女の祖型は地母神であり、その成れの果ての変形がひさごである。プロトひさごは、「産山」の地名を支える地母神の存在だった。それが、トーテム信仰の終焉とともに、あるいは異類婚姻の破綻とともに、産山に帰る。このとき、神化したことも考えられる。

 阿蘇大神の祖形は、異類婚姻譚のさい、去られたほうの男ではないだろうか。彼はその後、神化した地母神に代わって、土地を鎮める神となった。そういうことではないだろうか。

 
谷川健一著作集 9 民俗学篇 5 地名と風土

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イナとしての胞衣
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要旨:  にわか調べだが、胞衣を「イナ」と呼ぶのは、関東から東北に広がっている。南からい...

 にわか調べだが、胞衣を「イナ」と呼ぶのは、関東から東北に広がっている。南からいけば、イヤ、ヨナ、イナという分布になる。そして、イナの場合、エナとの通音は容易になるだろう。

 「ヨナとイヤの身体・地名分布」の続きでいえば、「地名ヨナのところでは、ヨナを地母神的に捉えたところでは、身体をイヤと呼び、米として捉えたところでは身体をエナあるいはイナと呼んだ」ということになるのかもしれない。


 神奈川県(「神奈川県史第5巻」)

 山梨県(上暮地「富士吉田市史 民俗編 第1巻」)

 群馬県(新田郡薮塚本町)(「医療人類学の研究(?)」

 茨城県(「茨城県久慈郡里美村大字小菅民俗調?報告書」)

 山形県(「真室川の昔話」)

 秋田県(由利郡東由利村「橿原考古学研究所論集 第14巻」)

 青森県(「青森県五?方言集」)

ヨナとイヤの身体・地名分布
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要旨:  胞衣は、エナの他、ヨナ、イヤと呼ばれている。しかし、それらは地名としての胞衣で...

 胞衣は、エナの他、ヨナ、イヤと呼ばれている。しかし、それらは地名としての胞衣でもある。この分布の仕方には意味があるのかもしれない。

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・身体ヨナ 福井県、愛知県、三重県、島根県、山口県
・地名ヨナ 熊本県、福岡県、山口県、広島県、島根県、兵庫県、愛知県、岐阜県、山梨県、千葉県、石川県、長野県、新潟県、茨城県、福島県、山形県、岩手県、秋田県、青森県

 これは手元にある資料からの抽出なので、厳密性はないが、ここから仮説を立ててみる。ぼんやり眺めて思うのは、「地名ヨナ、身体イヤ」という琉球弧型は九州でも弱くその傾向が続いている。対照的なのは、中四国や関西でみられる地名イヤのところでは、身体はヨナとなっているらしい。これを「地名イヤ、身体ヨナ」としてみる。

 これにかぶさるように、北九州から本州にかけて多いのは地名ヨナだ。ただ、この場合、身体はイヤではなく、エナになっていると考えられる。考えやすいのは、地名ヨナはすでに「米」の意味に転化しているところだ。

 「地名ヨナ、身体イヤ」と「地名イヤ、身体ヨナ」は反転形だから、考えやすい。

 これらを統合的に把握しようとすれば、どういえばいいだろうか。

 地名ヨナのところでは、ヨナを地母神的に捉えたところでは、身体をイヤと呼び、米として捉えたところでは身体をエナと呼んだ。もちろん、地母神が古層になる。これとは別に地名イヤ、身体ヨナと反転させて捉えたところもある。この場合の地名イヤは地母神的だ。