最後の清流とも呼ばれる四万十川。四国の大河にかかる橋は黒くくすみ、ところどころコンクリートがはがれていた。
沈下橋。欄干がなく、橋脚は低い。通常は橋としての機能を果たしているが、増水すれば水面下に沈み、使えなくなる。潜水橋、もぐり橋とも呼ばれている。
建設費が安く抑えられるため、かつては全国で架けられた。だが、通行を自然に左右される不便さから、常に水面に出ている「抜水橋(ばっすいきょう)」へ架け替えが進み、いまも存在しているのは全国で約四百十カ所(平成十年度)。蛇行を繰り返し、急峻な山々が川沿いにそそり立つ四万十川流域には、そのうち六十余りが残る。
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